その時──。
ばしゃん、と大きな水音が聞こえた気がした。
そして次の瞬間、私は強い力に引っ張られ、
水中から顔を出すことができた。
刺激の強すぎる光景にクラクラしていると、
春草さんがちらりと横目で私を見た。
その流し目までもが、色っぽい。
首を傾げる春草さんに
私はつと目をそらしながら答える。
私は音二郎さんに腕をのばさずには
いられなかった。
音二郎さんの頭を包みこむと、
そっと自分の胸にひきよせる。
音二郎さんは抵抗することもなく、
おとなしく私の胸にゆだねてくれた。
そう言われて、鏡花さんを見上げると、
顎に手が添えられ
まじまじと顔を覗き込まれた。
私が頷くと、藤田さんは安心したように
目を細めた。
八雲さんは苦笑すると、ヘッドボードに
背を預け、私の身体を後ろから抱き抱えた。
願いは聞き入れられたけれど、
小さな子どものような態度だったかと
とたんに恥ずかしくなってしまう。
1人だったら心細いはずの公園も、
チャーリーさんとなら不思議と怖くない。